仮組みなので、まずはカムを装着。
カムが当たるロッカーアームの摺動面はすべて無事。
表面が荒れてたら交換なのだが、これひとつで万札が飛んでいく。
オイル管理ができているか、顕著に表れるのがこの部分なんだとか。
閉じ側のシムとバルブを保持するハーフリングは新品に。
非常に小さいがとても重要なパーツで、劣化して砕けると最悪バルブが
落ちることもあるとか(大抵は折れても役目を果たしているようだが)。
新品はバリをとらないと正確なクリアランスが出ないらしいが、
拡大鏡で見てもバリらしきものはない。今は加工されているのだろうか?
とはいえ、念には念を入れて慣らしておく。
オープン側(押し側)ロッカーアームはこのような形をしている。
シャフトの通る両端にはワッシャが入っているのだが、左に1枚・右2枚だったり、
左右に1枚ずつ、左0で右に3枚だったりとマチマチ。
ドライバー先はワッシャが1枚も入ってなかった側で、一部が削れている。
受け側も削れている。押し側4本中、2か所がこの状態。
片側にワッシャが入ってないのは手違いと思っていたが、そうではないようだ。
仮に、ワッシャがない方に一枚ワッシャを入れてみると、
バルブを押すセンターがズレてしまう。
同じくカムとロッカーアームの摺動面もワッシャ次第でスライドする。
バルブを押すセンターを基準にするとカム側がずれ、カム側の摺動面を
基準にするとバルブトップのセンターがずれ・・・
元通りに組んでも双方を合わせることのできないロッカーアームもある。
つまり、製造精度が悪いもんだからワッシャで調整する手法をとっているが、
所詮は間に合わせなので完全に合わせることはできないという。なにこれ?(笑
まあ、ここは妥協するしかない。
そうそう、カムホルダーは装着して測定するべし。
1/100mmでの測定だから、安定させないと数値が出ない。
カムが押していない状態でクローズ側シム下の隙間を測定。
クローズアームは左右に割れているが、両方を測ってみるとそれぞれ違う。
シムを回転させて、一番狭くなる箇所と広くなる箇所の両方を記録。
そのうえで最後はカンで(笑)、シムの厚さを決める。
画像は吸気の閉じ側だが、最小で0.1mm以上あり、大き過ぎる(基準は0.05以下)。
とくに吸気側は閉じているときに新気を吸わないよう、熱が入った時の
クリアランスがゼロになるようシムを決めたいが・・まあそれは少し無理がある。
クローズ側シムのクリアランスを詰めるとバルブが持ち上がるので、
オープン側シムのクリアランスも狭くなる。よって順序としては、
クローズ側のシムを決めた後、オープン側をどうするか決めるのが良い。
双方にゲージを挟んでみて、どう変化するか見るとわかりやすい。
クリアランスの「アテ」を出したら、現在装着されているシムの厚さを測る。
ライテック店長がご好意で測定用アダプターを貸してくれたので、測定してみた。
このようにシムをかぶせて使う。
押し側(オープン側)は、このように全体の長さを測り、
アダプターの長さ(32.00mm)を引いた数値がシムの厚さとなる。
この場合は、3.33mmだ。
戻し側(クローズ側)シムはこの向きに差し込み、傘の部分にノギスを当てる。
その上で、アダプター外周の25.00mmを引いた数値がシムの厚さとなる。
こちらは、6.55mmだ。
実は使い方を間違え、この向きで測って、ありえない数値をオーダー。
店長をポカーンとさせてしまった。いやーお恥ずかしい(笑
【第一回 測定結果&目安】
OP:オープン(基準 EX 0.12-0.15/INT 0.10-0.12)
CL:クローズ(基準 0.00-0.05以下)
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ホリゾンタル 吸気側 OP 0.13 / シム3.50
CL右 0.05, CL左0.05 / シム6.40
ホリゾンタル 排気側 OP 0.23 / シム3.34
CL右 0.10, CL左0.10 / シム6.65
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バーチカル 吸気側 OP 0.26 / シム3.33
CL右 0.18, CL左0.17 / シム6.55
バーチカル 排気側 OP 0.15 / シム3.55
CL右 0.04, CL左0.08 / シム6.55
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以上の数値をもとにしてシムを選ぶが、組んでみるとまた数値が変わる。
はやく決まれば良いのだが・・・。
リアシリンダーの吸気側はとくに隙間が広い。プラグがすぐに真っ黒になる
原因のひとつだろうか?
↑ この道具だけ見ると、エンジンをいじってるとは思えないね。
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